嗚呼、同窓会の思い出《前篇》
小学校の同級生から同窓会のお知らせのメールが届きました。
ボクは転勤族だったために小学校の同級生とは卒業以来会っていません。
たまにFacebookの「友達かも?」の項目に同級生の名前が出てくるので、その度にそいつらのページを覗いたりしてますが、みんな結婚してたり、子供がいたり。
「友達じゃねえよ!こんなやつら!!ボケェ!!!」
と、その度にスマホを壁に投げ飛ばしてしまいます。
同窓会では痛い思いをしたことがあります。
それは成人式の後の同窓会。
会場は地域の公民館で、折りたたみ机が並べられ、お菓子やジュースがたくさん用意されていました。
その時は中学校の同級生が集まっていました。
みんな中学の時に比べ身長も高くなっており、成人式用のスーツや着物の効果でさらにかっこ良くなっていました。中学時代のボクは今に比べ、さらに人と喋るのが苦手。大学の友達とは多少喋れていても、周りが中学時代の友達になってしまうと、当時の自分の“感じ”に戻ってしまいます。みんなの会話の間合いにうまく入って行けず、
「へっ!へへへっ!へへへっ!」
と笑うだけで、自慢話には
「えええ〜!すごいなああ〜!!」
と感嘆し、また
「へっ!へへへっ!へへへっ!」
と笑うことしかできませんでした。
ボクの中学時代は、喋ると言ったらこれしか口にしていませんでした。
ある時女子生徒から
「テクノくん、よく笑うね」
と言われたのを記憶しています。
その言葉の裏には
「きみは笑ってるだけで人生楽しいの?」
という言葉が隠されており、生物としてに退屈なボクを呆れられていたのは言うまでもありません。
絶えず愛想笑いを続け、だいぶ顔の筋肉が引きつり始め、頬を両手で抑え椅子に腰掛けようとしたその時・・・一人の女性と目が合いました。それは真っ赤な着物を身に纏い、キラリと光る金の簪で髪を束ね、華のように美しい憧れの優等生美少女、ユウカさんでした。
ボクはこの瞬間、頬を手で押さえたまま時間が止まり、一気に心がときめき始め、まるで中学生に戻ったようでした。
明日はこのユウカさんとの中学3年時の甘い記憶を語ろうと思います。