【映画 地獄でなぜ悪い】全力歯ぎしりレッツゴー！の意味とは！？
園監督の映画を観るのはこれで３作目でした。
あまりエログロ映画が得意ではないので、敬遠しがちですが、
今回は不得意な部分よりも笑いの方が勝っていたので、
爆笑しながらエログロ映像を
楽しむことができました。
奇妙でかわいいOP
幼女が歯ブラシを両手に、
軽快な音楽とダンスとともに
「全力歯ぎしりレッツゴー。ぎりぎり歯ぎしりレッツフライ。僕の気持ちは歯がゆい。全力歯ぎしりレッツゴー。（略）歯並びガガガ。歯ぎしりギギギ。みんなで歯を磨こう。イエイ。」
と、奇妙な歌詞を歌う
歯磨き粉の テレビCMからこの映画は始まります。
『地獄でなぜ悪い』
というタイトルからは
想像できないオープニングです。
その意外性からこの映画の持つ不気味さが際立つ、
素晴らしいオープニングだと思います。
地狱でなぜ悪い特報 Why don't you play in hell 30s Teaser ...
奇妙なオープニングの後、
主要となるグループたちのエピソードが始まります。
自主映画撮影好きの『ファックボンバーズ』という若者達。
妻を刑務所に入れられたやくざの組長。
そのライバルとなるやくざ。
携帯電話を止められた若者。
そして、歯磨き粉のCMの美少女。
各グループが多少強引ながらも
ひとつにつながっていく様は、
心地よいものがあります。
一見複雑そうなストーリーですが、
なにも考えなくても筋がわかるものでした。
テレビＣＭの歌詞の意味
この歌詞はなんのCMにもなっていないです。
歯を磨けば歯ぎしりが治るわけでもありませんし、
歯並びが良くなるわけでもありません。
しかし、この歌詞は
この映画そのものを
言っているのだと気が付きました。
おそらくやくざの人たちが映画を作っても、
娘は女優としてデビューするわけでもありませんし、
映画が公開するわけでもありません。
ファックボンバーズが映画を作ろうとがんばっても、
おそらく映画監督として花が咲くことはないでしょう。
星野源さん演じる若者がやくざに捕まって、
映画監督を無理やり演じてがんばったとしても、
死が待っているのは目に見えています。
まさに登場人物全員が地獄のような状態です。
しかし、それがどうした？
と、そこで全力でレッツフライすることが
彼らの生き様なのです。
それが、
『地獄でなぜ悪い』という
タイトルへとつながっていくのだと思います。
では、なぜだめだとわかっていても、
彼らはもがき続けるのでしょうか？
答えは主題歌となった星野源さんの『地獄でなぜ悪い』という曲の歌詞の中にありました。
“ただ地獄を進む者が悲しい記憶に勝つ”
これが、彼らの生き方なのだと思いますし、
僕も共感しました。
